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次第だが、交換情報を構成するデータ項目の標準化はいずれ必要となり、またデータ項目の整理を通して、交換情報がより具体的になり、電子化の優先順位を決める上からも重要な役割を果たすはずである。
以下に、データ項目の標準化の作業ステップを記述する。
1)交換情報のデータ項目洗い出し
→現行帳票や図面から、その情報を構成しているデータ項目を抽出する。
2)データ項目の整理
→企業間のデータのバラツキやデータ名称のバラツキを整理(同音異義語、異音同義語を整理)し、業界としての標準データ(項目、項目名を設定する。
3)格納場所(データベース)の設定とデータ仕様の整理
→交換情報をデータベース化し、データ仕様(データタイプ、データ桁数)を整理する。
<交換情報の作成方法検討(各企業)>
業界としての標準データベースが規定されるのを受け、各企業はどのような方法で、その標準データベースにデータを送り込むかについて検討する。部品情報や部品表、図面であればPDMシステムの導入を検討し、受発注情報であれば受注システムや購買システムの構築や改善が必要となる。
<情報交換ツールの業界標準の選定>
舶用工業としては、交換情報の電子化優先順位を検討し、優先的なものから業界としての情報交換ツール(標準プロトコル=SGML、STEP、IGESなど)を決定する。
さらに、それら標準プロトコルを配した情報ネットワークの全貌を検討する。
<新業務プロセスモデルの作成>
電子化対象データの確立および情報ネットワークの概念設計の次に、それらを使用した場合の舶用工業としての業務プロセスを再整理し、新しい業務プロセスモデルを作成する。
<高度情報化システムの構築>
上記スナップを踏んだ後、舶用工業の高度情報化システム(CALSなど)を構築する。構築は一挙に行うのではなく、電子化優先順に1つ1つ、あるいはいくつかのグループ順に行い、システムの運用を通して改善点などを明確にしていく。なお、費用対効果の測定は、次の情報化システムをどのように構築すべきかの重要なファクターとなり得るので、あわせて実施する必要がある。
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